柄澤齋「ロンド」

創元推理文庫上下巻。
先週生徒さんに借りて読みました♪

柄澤さんは尊敬する木口木版(こぐちもくはん)の作家さんです。

もともと柄澤さんは小説家になりたかったそうで、画風もどちらかというと文学をテーマにした作品とか、博物誌的なものが多いのです。
エッセイ集は前に出していらしたそうですが、柄澤さんの初推理小説。京極夏彦並みに厚ぼったい。(^^;)

しかし、面白かった!!あっという間に読めました。
名画をもとに見立て殺人が起こるって話ですが、凄い美麗文。版画作品から察して何となくそんな気がしてはいたんですが、絵画に対する蘊蓄文といい、料理の味に対する表現といい、何というか、今時珍しいほど濃い文章。

ちょうど今、鎌倉神奈川県立近代美術館で柄澤さんの回顧展をやっています。
「ロンド」を読んでまだ頭が柄澤ワールドに浸っている中、ようやく行ってきました。

シロタ画廊の個展の時に見たことのある作品が多かったんですが、まとめてみると、やっぱり壮観〜。

しかし、一緒に行った旦那ちゃんが老眼進行中のため、細かい線が見づらいと嘆いておりました。(笑)同様の症状を感じている方はルーペがいるかもしれないです。何せ、一ミリの中に十本(もっと?)細かい線がぎっしりの作品ですからねえ。

で、特筆すべきがカタログ。
二千五百円なのに、すごく綺麗な装丁で簡易カバー付き。しかも、オリジナル木口木版画付き!!  柄澤さんのオリジナル文章付き!!  凄いお買い得感。

作家や作曲家の肖像画シリーズ、装丁の仕事や私家版の本、羊皮紙の古文書を使ったコラージュワークなど、堪能してまいりました。本の好きな方にバッチお勧めです〜。

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