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2008年11月 Archive

スピットバイト・アクアチント

DSCF3728.jpgYさんの作品。水墨画で描いたご自分の原画のイメージに近づけるために、スピットバイト・アクアチントで調子をつけていきます。

DSCF3733.jpgこのように、松脂を定着させた銅版を「腐蝕バットの中に浸ける」のではなく、「腐蝕液を筆などで銅版にたらす」方法をスピットバイトと言います。

松脂を撒いた版以外にも、ソフトグランドでマチエールを浸けておいた版にたらすなど、いろいろと応用がききそうですね〜。

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エアブラシアクアチント・その他の樹脂を使ってみる

新日本造形で入手したウォーターグランド。
エアブラシ・アクアチントに大活躍です♪
(前回の記事はこちら)

普通のエッチングのグランドとしては、とーっても使いづらいんですが、アクアチントに使うには大変便利!!
DSCF3660.jpg

「塩化第二鉄や塩水では落ちないのに、水で簡単に落ちてしまう」という珍しい特徴を持ったこのウォーターグランド。

最初は水で落ちてしまうのは欠点だととらえていましたが、逆に「ちょっとだけグレーにしたい部分がある」時などは、伝統的な松脂を使ったアクアチントのように、いちいち熱したりせずにすむ。落とすのにも臭いアルコールを使わないでもすみます。

問題は「硝酸でアクアチントがかけられない」事です。

エコとか健康上の観点からノン・トクシック技法(非有害技法)を行っている工房などでは、もう硝酸を使わなくなってきていますが、どうしても硝酸を使う必要が出てくるのは、実は「薄く均一なアクアチントをかける」時です。

塩化第二鉄のアクアチントは、すぐに濃い調子になりがち。また、腐蝕した広い面から沈殿物が発生するので、ブツブツがでたりとか、均一な調子を作るのが難しいのです。

さて、エアブラシを使って硝酸でも耐えうる樹脂グランドがないかなあと、新しいアクリル系のグランドを購入してみました♪

DSCF3643.jpgZ*ACRYL HARDGROUND EMULSION
京都の版画工房さんで取り扱っているグランドです。

その他、アクリル樹脂で使えそうな、床用ワックスも購入してみました。(もし使えなかったら、本来の用途で使えるし。(笑))
DSCF3448.jpg

DSCF3653.jpg早速両方使ってみます。(床用ワックスは、見やすいように青いアクリル絵の具を混ぜてみました。)

・・・うーん。
空圧の調整が難しいっ!!
どちらも、銅版から「タラタラ」と垂れてしまいます。圧を最小にすると、今度は粒が大きすぎたりとか・・・。
粘度がもう少しあると垂れないんですよね。新日本造形社の「ウォーターグランド」ではうまくいったのですが・・・

また、どちらも薄く青い着色がされているのですが、銅版にスプレーされているのかどうか、すごく見づらい!!

もっともこれは新日本造形社の「ウォーターグランド」でも同じです。回りの紙についたスプレーを見て判断するしかないですね。

硝酸に入れてみます。
DSCF3663.jpg

・・・・・
ちょっとした加減でスプレーしすぎた所は腐蝕せず、真ん中辺はうまくいっている模様です。

・・・・・
5分ほどで、真ん中の樹脂の粒子は飛んじゃいました。(爆)

いやー、慣れがひつようですな、コレ。

さて、水洗いして、このアクリル樹脂を取り除くのが大変です。
まず、試しに床用ワックスを剥がす「剥がし液」に浸けてみました。
・・・・びくともしません。

次に、「10%の炭酸ナトリウム水溶液」に浸けてみます。
・・・・びくともしません。

次に「アンモニア水」に浸けてみます。
・・・おお!!
ようやく青い汁が溶け出しました。

し、しかし、アンモニア水って、鼻が曲がりそうに臭いです。(-_-;)
もちろん、アトリエにある4つの換気扇全開で使ってます。
使用説明書を読むと、「人体に害毒だから、決して吸引するな」とあります。ううっ!コレって確か、ノン・トクシック技法じゃなかったっけ・・・。(-_-;)

とりあえず、ちゃんと樹脂の層が取り除けたか、確認のために硝酸にそのまま版をつけてみます。(銅の面が露出していたら、すぐに泡が噴き出すはず。)

・・・・

全然泡が立ちません!!(-_-;)
つまり、樹脂の層が取れてないっ!!
臭い思いをした割には効果無しか・・・。このグランドも床用ワックスも、取り除くのがすごーく大変だということは良くわかりました。(^^;)

水洗いして、サンドペーパーを全体にかけて、再び硝酸に入れてみたら、ようやく泡が立ちました。

ただ、これはテスト版だからいいけれど、エッチングの線の凹凸がある場合などは、溝にこの樹脂が詰まってしまう恐れがありますねえ・・・。

アクリル絵の具用の剥離剤を使ったり、この樹脂グランドを販売している所でも剥離剤を売っているようですが、いちいちそれを使うのも割高だしなあ・・・。難しいですね。

自分の作品を作る時は、長時間液に浸けて取り除いたりできるけど、短時間の教室での制作ではちょっと不向きかも、でした〜。


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雁皮を染める

DSCF3705.jpg雁皮刷り応用編・アクリル絵の具で雁皮を染める、の巻です!まず、基本の雁皮刷りと同様に、プレートマークに印をつけて、雁皮を少し小さめに切ります。

DSCF3706.jpg透明な塩ビ板やアクリル板の上に水を霧吹きでスプレーし、その上に切った雁皮を貼り付けます。しわをピンと伸ばすこと。この時、雁皮の裏側が上に来るようにします。(雁皮は、裏側からアクリル絵の具で染めます。)

DSCF3707.jpg雁皮を貼り付けた塩ビ板を銅版の上に置いて、だいたいどこを何色に染めるか見当をつけて、染めます。

DSCF3708.jpgちょっと塩ビ板と雁皮の間に空気がはいってしまってます。(^^;)もっとも、作業の支障にはなりませんけどね〜。

DSCF3710.jpgドライヤーで乾かします。半乾きになったら、そっと剥がして新聞紙の上などに置いて乾かします。完全に乾かしちゃうと、塩ビ板にくっついてしまうので要注意。

DSCF3712.jpg出来上がり!
全体は薄紫、真ん中辺は紫色に染められました♪

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今日の銅版画教室 仕上がってきました〜〜♪

DSCF3685.jpgS氏のエッチング、ようやく完成しました!頑張ったかいあって、奇麗ですね〜〜♪

DSCF3690.jpgこちらもほぼ仕上がりました、この前のクレヨンを使ったアクアチントの作品です!

DSCF3692.jpg今日ようやく基礎コースの卒業制作をアップできたIさん、新作を始めました!マジックインクの部分は「雪」をイメージして白く、回りは黒くなる予定だそうです。

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今日の銅版画教室 メゾチント大流行♪

DSCF3666.jpgこの前エアブラシ・アクアチントをかけたYさんの作品です。さらに回りにドライポイントが加わりました!(ビュランの感想は?と聞いたら、やっぱり大変だったそうです。(^^;))

DSCF3664.jpg最近細かいエッチングに目覚めたというIさん。雲を点描で描画しました♪

DSCF3667.jpg今日エスキースを描き始めて、もう試し刷り!(◎_◎)Uさん、削るの早いです〜〜

DSCF3668.jpg続いて夜の部。Aさん、エアブラシ・アクアチントを試してみました!

DSCF3670.jpgKさんもメゾチント。メゾって目下大流行ですね!!四角の中と外の世界をいかにつなげようかと思案中だそうです。

DSCF3671.jpgMさんのエッチングも、いよいよ仕上げに入ってきました〜

DSCF3672.jpgIさんのメゾチント、前回から磨きを加えて、ぐぐーっと完成にちかづいた感じ♪
ずらりと並んだ試し刷りを見ると苦労がわかりますね〜

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アクアチント応用編続き

この前の粗撒きアクアチントの続き、Yさんの作品です。

DSCF3600.jpg試し刷り。全体感はできてきました。あとは、またエッチングで加筆するそうです。

aramaki.jpg粗撒きアクアチントの部分。良い感じですね!この後どうなるのか楽しみです♪

DSCF3601.jpgこちらは、初めてのエッチングのKさん!細かくて繊細な線。エッチング向きの作品です!

DSCF3604.jpgセピア系の色と、グリーン系の色で刷ってみました。

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続・クレヨンを使ってみる

この前のOさんのクレヨン・マチエール、続きです。
DSCF3565.jpgかなり濃いめにアクアチントをかけ、紙やすりで調子を整えて、試し刷り。

DSCF3569.jpgだいぶ効果的にクレヨン・マチエールが出ています!
回りが思ったよりグレーだったので、もう少しアクアチントをかけるそうです。

DSCF3561.jpgこちらは長らく続けてきたSさんのエッチング。セピアで刷って、無事完成と相成りました!

DSCF3567.jpg同じくSさんのメゾチント、第1回目の試し刷りです♪

DSCF3566.jpgIさんのメゾチントも最終段階!これは、シャルボネール社の55985に、半分くらいバーミリオンを混ぜて刷ってみました。

DSCF3564.jpgAさんのエッチングは、はじまったばかり。第1回目の試し刷りです。赤レンガ倉庫だそうです♪

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今日の銅版画教室 エアブラシアクアチント実用化?

この前試してみたウォーターグランド(樹脂製のグランド)を使ったアクアチント、いよいよ受講生の方にも使っていただきました。

DSCF3481.jpgこの前ビュランに挑戦していたY氏。人物の頭のところにアクアチントを掛けたいということ。

DSCF3480.jpgウォーターグランドをスプレーします。
・・・・ところがっ!!粒子が細かいので、既に線描がはいったところは、果たしてスプレーがちゃんとかかっているかどうか、非常に見づらい!!
回りの白い紙にかかったスプレーを見て判断するしかないですかね〜。
(その後腐蝕してみたら、ちゃんと奇麗にアクアチントかかりました!)

DSCF3482.jpgこちらはこの前2回目の試し刷りをしたIさん。3回目の試し刷りです。
写真では分かりづらいですが、左の方が空が明るくなっています。
そろそろバニッシャーを使って磨いていきましょう、ということになりました。

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