リトグラフ
リトグラフ制作フローチャート
実際にリトグラフを制作するプロセスを見ていきましょう。
銅版画や木版画と違って、リトグラフは「平版」。
作業は何となく、化学反応・・・目に見えない反応と格闘するような感触があります。
注・リトグラフの製版のやり方は、人それぞれ、版画工房それぞれのやり方があります。
ここでは、永沼版画制作で行っている方法を簡単に紹介します。
銅版画や木版画と違って、リトグラフは「平版」。
作業は何となく、化学反応・・・目に見えない反応と格闘するような感触があります。
注・リトグラフの製版のやり方は、人それぞれ、版画工房それぞれのやり方があります。
ここでは、永沼版画制作で行っている方法を簡単に紹介します。
アルミ版にじかに描画する方法
工程 | 作業 | 目的 | 参照ページ | |
整面 | アルミ版に、整面液を塗り、水洗いして乾かす。 |
アルミ版表面の酸化膜を取り去り、描画材料の脂肪分に反応しやすくするため | 基礎的な道具集 アルミ版リトの道具集 |
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描画 | アルミ版に、油性の画材(ダーマトグラフ、リトペンシル、解墨など)で描画する | 油と水の反発を利用して版画にするため必ず油性の材料で描画。 | ||
製版 | 1st エッチ | 描画部分をストンパーかタルクで固める | 耐酸性を高め、アラビアゴムで描画部分が溶けないようにする。 | |
アラビアゴムを版面に塗る。 から拭きし、乾かす。 |
描画部分以外を親水性の性質にするため。 | |||
2 nd エッチ(A) (A)を省いても可 |
ホワイトガソリンで描画部分を抜き取り、チンクターを塗り込む。 | 描画部分の油性分の反応を確実にするため。 | ||
水洗いしながら、製版インクを盛る 版を乾かして、製版インクをストンパーかタルクで固める。 |
絵のトーンを把握し、描画イメージを確定する。 | |||
アラビアゴムを版面に塗る。 から拭きし、乾かす。 |
描画部分以外を親水性の性質にするため。 | |||
2 nd エッチ(B) | ホワイトガソリン、およびシンナーで、製版インクを取る。 その後、エゲンラッカーを描画部分に薄く塗布する。 |
版面を補強するため。 | ||
描画部分にチンクターをすり込む。 | 版面を補強するため。 | |||
版面のアラビアゴムを水を含んだスポンジで拭く。 | 描画部分の上にのったアラビアゴムを取り、版面に水を与える。 | |||
製版ローラーで「製版インク」を使ってインクを盛る。 | 非描画部分についたエゲンラッカーの膜を完全に取り、描画イメージを確定するため。 | |||
製版インクをストンパウダーまたはタルクで固め、アラビアゴムを塗り、乾拭き。 | 製版完了。 | |||
刷り | スポンジで水を引きながら、ガソリンなどで製版インクを取る。 | 本刷りは製版インクではなく、刷り用のインクを盛る。 | ||
版にスポンジで水を引きながら刷る。 |
PS版を使う方法
(焼付法)
工程 | 作業 | 目的 | 参照ページ |
描画 | マットフィルムやトレーシングペーパーなどに作画する。 画材は光を通さないものなら何でも良い。(色鉛筆、エアブラシ、アニメックスなど) |
焼付をするので、水性の材料でも可。 | 基礎的な道具集 PS版リトの道具集 |
製版 | PS版に作画したマットフィルムなどを、描画面を下向きに置く。焼付器で光をあて、フィルム上の絵をPS版に焼き付ける。 | 光の当たった部分は、のちに現像液で乳剤が落ち親水性になるように変化する。 描画部分はPS版の乳剤がそのまま残る。 |
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焼付が終わったPS版を現像液に浸ける | 光の当たった部分は乳剤が落ちる。 |
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水洗いして、アラビアゴムを塗る。アラビアゴムを乾かす。(製版終了) | 乳剤が落ちた部分は「親水性」になる。 | ||
刷り | アラビアゴムを水洗いして落とす。 版に水を引きながら刷る。 |
木版を使う方法
(木版リトグラフ)
工程 | 作業 | 目的 | 参照ページ |
版準備 | 木版にカゼインを塗る。(塗布済みの木版が「プライウッドグラフ」という名で新日本造形から市販されています。) | 木版に目止めをし、版に水を含みやすくする。 | 基礎的な道具集 木版リトの道具集 木版リトグラフ A道具編 木版リトグラフ B実践編 |
描画 | 版にソリッドマーカー、解墨などで描画する。 このとき彫刻刀で彫りを入れたりもできる。 |
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製版 | アラビアゴムを塗る | 描画部分以外を親水性の性質にするため。 | |
乾かした後、スポンジで水洗いして、木版に均等に水を含ませる。 | 描画部分以外に水を含ませて、油性インクが乗らないようにする。 | ||
刷り | 版が湿った状態でインクを盛る。 スポンジで水彩絵の具などを直接版に彩色し、1版多色刷りも出来る。 |
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木版用プレス機でプレスする。またはバレンなどを使って刷る。 | この技法の場合は柔らかめのインクを使うので、通常のリトプレス機でなくても刷ることができる。 |