2003年1月

1月6日、ドッペルの2楽章最後の仕上げ。音程はまあまあましになったけれどやっぱり美しくない。先生も今これ以上やっても成果が上がらないと思ったのか、「それでは、教則本に戻って5巻をやりましょうか。」かくして、ドッペルと格闘の半年間は終わり。いつの日か、もう少し綺麗に弾けるようになりたいものである、この第2楽章。そして3楽章目も「ぱりっ」と弾けたらかっこいいだろうな〜〜。

第5巻は最初の曲はまたしてもバッハ、チェロソナタのバイオリン版「ガボット」だ。さんざんポジション移動を練習した後で弾くと、1ポジだけなのでとても弾きやすく感じる。1月20日、「素敵でしたよ。バッハの曲が向いているんじゃないですか?」と先生にお褒めの言葉を頂きサクっと卒業。たとえヨイショでも、ちょっと嬉しいkeroであった。

次は去年さんざん苦労したビバルディAmolの2楽章目である。が、この曲、単純なメロディーで譜面づらは簡単なのに、ポジション移動がめちゃくちゃ多い。おまけに色気たっぷりに弾かないとハーモニカみたいになるという、keroの一番苦手そうな曲だ。

さて、この曲から未知の第5ポジションが出てくる。 短い小指を届かすため、腕を内側に入れたり高く構えたりすると、たちまちのうちに肩がコリコリになる。お酢でも飲んで身体を柔らかくしなくてはいけないだろうか。

2003年2月

Amol2楽章、やはりちょっと音程が取れてきたくらいでは先生のお許しは出ない。バロック特有の繰り返しの音型を全て変化をつけて弾くように、また、どんな小さい音符でも「歌う」ように、と指摘される。

また、5ポジが不安定なのは左腕が全体的に下がり気味なせいと、親指でネックをがっちりつかみすぎだとも言われる。ハイポジになるとバイオリンが「ぶるん」と揺れちゃったりする情けない自分であるが、出来るだけ楽器の保持をがっちりとすること。アゴのバイオリンだこがまた立派に成長しそうである。しかし、5ポジでこんなに苦労していて、先はあるのだろうか?じぶん・・・・。

3月24日、仕上げということでCDと合わせて弾く。一応合格をもらって、次の曲、ビバルディのGmolへと進む。

このGmol、大変美しい曲である。そんなに目茶難しいと言うことはないけれど、第1楽章に、と・っ・て・も イヤ〜〜〜な部分が2箇所。

まず「た、た、た」「た、た、た」と三連符を弾くところ。ここ、弓が最初の「た」のところで下げ弓で一気に弾き、残りの「・た、た」「た、た、た」5つ分を上げ弓で弾くのだが、なんだか弾いていると「たっ、たたたたた」となってしまって三連符に全くきこえないのである。大汗かいて練習していたら、ウチのダンナちゃまに「たっ、たたたたた〜〜」と真似して歌われて、大笑いされた。シクシク。

次に、2の指でD線とA線を同時に「ふぁ」「ど」と重音を押さえつつ、3の指でトリルをする所がある。2の指を立てて弦を押さえなくては3の指でトリルがしにくい。がっ、指を立てると同時に2本の弦が押さえにくい。あちら立てればこちら立たず・・・といった具合である。おまけに、2本の弦を同時に押さえた重音が、気味が悪いくらい音痴なのである。

2003年3月

やはり問題の三連符と重音+トリルのところ、先生の前で披露したら大爆笑をされてしまった。嗚呼。「ごくろうさまでした、って感じですねえ〜〜。もう少し力を抜きましょう!」・・・ごもっとも〜〜。「まあ、ここのところは特訓あるのみですね」と言われ、1日10回弾くように命ぜられる。

さて、実はこの私kero、3月8日、ずっとお世話になっている森野さんのアンサンブル・アプリコットで、「ドッペル会」の幹事をやることになった。これはドッペルコンチェルトを長期間合わせていこうという試みである。年に3回くらい、ドッペルを弦楽合奏で、ソロバイオリンは交代で合わせていく!(ということは、恐れ多くも自分がソロで弾くこともある!)という、何とも無謀な試みであるが、この日、いつものアンサンブル・アプリコットのメンバーに集まって頂いて、とても楽しく合奏をすることが出来た。半年がんばったがドッペルはまだまだ弾きこなすには奥が深い〜。でも、いずれは第3楽章までがんばって通して弾きたいな!

2003年4月

Gmol第1楽章、引き続きレッスン。

「難しいところになると力が入る→肩が上がる→右手も左手も運動能力が下がる」 という悪循環をなくすべく、ひたすら脱力を心がける。力を抜けばトリルもやりやすく、G線の音出しも少しはきれいになる。・・・分かっちゃいるんだが、力を抜くっていうのも難しいものだ。。右手の場合は、ひたすら弦と弓との接触点に意識ポイントをもってくるように。弓を吸い付けるように。左手の場合は、手首や肘に力を入れず、やはり指先に集中して押さえるように。と言われる。

指先に集中すると、2と3の指のトリルも少しはましになってきたようだ。通して弾くが、がんばりましたね〜、と先生に。(^^)

ただ、フルサイズの楽器の割にはまだまだ音量が足りないことと、音の頭にメリハリがない(つまり、アタックが弱い)事を指摘される。今後のkeroの課題である。

ここで先生、「実は7月にまた発表会の予定があるんですが、keroさんどうしますか?」と言うので、keroギクり。またもや、「仕事が忙しい」「都合が悪い」と言い訳が頭の中で渦巻くが、良く聞いてみると、会場は我が家から徒歩たったの10分の西区公会堂!おまけに海の日の祝日なので仕事も休みだったりする。逃避するには難しい条件が整いすぎだ。

追い打ちをかけるごとく、先生、「keroさんがもうGmol弾いてるなんて、皆さんきっと、すごい〜!っておっしゃいますよお〜」などとヨイショ連発。ついにkero、「・・・で、では、やはり出てみます。」とお馬鹿な事に答えてしまう。

とほほ。歴史は繰り返す。しかし、繰り返しついでに、極端なあがり症も直ると良いのだが・・・。

2003年5月

発表会の曲はどうするか。スローな曲は緊張で「弓ビブラート」かかっちゃうのは前回証明済み。なので、候補は比較的テンポの速いGmol第1楽章か第3楽章。2月からたっぷり絞られていた第1楽章ももう飽きてきたことだし、新曲・第3楽章を選ぼう。演奏時間も4分位。短いし早く済む。(^^;)

5月12日、この曲のレッスンに入るが、この曲の難しい所はポジション移動が多い箇所。最初のうちは左手に気を取られてヘロヘロした音しかでなかった。しかし、練習しているうちに、音の頭(アタック)が弱いのは、移弦がトロい(つまり、コンマ何秒か肘の上げ下げが遅れている)ためであることに気づく。

あと、伸ばしの音の時はなるべくビブラートをかけるようにと言われる。しかしっ、2と3はようやく(それらしい)動きが出来るようになったものの、1と4の指が全然かからないのだ。全部の指でビブラート練習をさせられるが、先生いわく「苦労が音に反映されてない」とのこと。とほほ・・・。

「とにかく、2と3だけは、ばっちりビブラートがかかるようにしましょう!」と先生。はたしてかかるんだろうか。しかし、特訓の末、なるべく左手の位置を高くすること、力を抜くこと、自分が考えているより沢山向こう側に手を倒すこと、などがコツなのがわかってくる。

2003年6月

ひたすらGmol3楽章特訓。

先生いわく「だいぶ安定してきたが、音量がないですねえ。どうも最初、弾き出すときに力が入り過ぎなのか、音が小さく、後半に行くにつれ良くなってます。変な力が入らない方がよく楽器が鳴るので音が大きく響くのです。」とのこと。 ふーむ、この辺の微妙なさじ加減がバイオリンって難しいんだなあ。曲の後半になると、疲れて来て力がはいらなくなって、かえって良くなるんだろうか?

また、以下の事を指摘される。
●G線→D線→A線と激しく移弦し、ポジションも2ポジ→3ポジ→1ポジ、とこれまた激しく変わる箇所で左手に気をとられて右手の移弦が遅れる
●E線の4ポジの最高音「♭E」がきれいに出ない。
●十六分音符で細かい音符の部分で、ややこしいスラーにこれまた気をとられ、アップとダウンの弓の速度が変わってしまい均一な音が出ない。

「楽器を鳴らす」事を意識して練習を続ける。また、例によって自分の音を録音してみるが、良くなってきていると思った音程など、まだまだ怪しいところが沢山あって大ショック。はあ〜〜。あと1ヶ月。間に合うのか?アタシのGmol!

2003年7月

7月13日、発表会のリハーサル。さすがに2度目、少しはリラックスして弾けるかと思ったらボロボロの出来。あまりの我が身の度胸のなさに落ち込むkeroであった。

7月21日、西区公会堂で本番。詳しくはこちらをご覧頂きたい。ともかくも、決めたテンポで落ちずに弾けた。今の自分の力以上には絶対に弾けないけれど、相変わらず緊張したり上がったりもするけれど、経験と学習によって少しはマシな演奏になる、っていうことは良くわかった。(^^;)

7月28日、レッスンに行くと先生、「keroさん大健闘でしたねえ〜〜」とのお言葉。ううーん、「良かった」とはけして言えない微妙な先生の心理がよくわかる。

2003年8月

実は、9月からわたしkeroの仕事の都合で、今のお教室とどうしても曜日が合わなくなってしまった。よって、丸3年間教わっていたN先生と悲しいお別れをすることに。

8月4日、ご挨拶がてら先生の所にお菓子など持っていき、最後にドッペル第1楽章を合わせてもらう。初めてのわたしにバイオリンの楽しさを教えてくださった先生、3年間本当にどうもありがとうございました。

次の先生はいろいろ探した結果、幸い徒歩20分のところに(前より10分くらい距離が長くなるけれど)個人の先生が見つかった。曜日、時間はあらかじめわかっていれば調整して頂けるとのこと。出不精なkeroがレッスンを続けるためには生活圏内で受けられることが必須である。芸大出たてでオケのコンミスも勤められている若い先生。なんでもオーケストラの勉強にスイスに一年行って帰ってきたばかりだそう。

教本は基本的には音階、カイザー、曲の3つ。「カイザー」というもの、ネットなどで話を聞くと、ピアノで言えばツェルニーみたいなものらしい。エチュードというものをやるのはkeroは初めて。ちょっとどきどきだ。曲は、「新しいバイオリン教本」を基本的に使っているそうだが、この教本5ポジくらいのレベルになると、急に難易度が上がってしまったり曲が長くなっちゃったりするらしい。で、ショートピースを選んだり、好きな曲を持ってきても良いとのお言葉。好きな曲が弾けるなんて、ちょっと嬉しいぞ!さっそく「ラフォリア(鈴木6巻バージョン)」を持っていくことに。

8月22日、初めて新しい先生のレッスンに行くが、ちょっと予想外だったのは愛用の角形ケースを右肩に担いで往復40分歩いたら腰が痛くなっちゃったことだ。(爆)さすがにおのれのトシをヒシヒシと感じるkeroであった。この際軽くて背中で背負えちゃうケースを買っちゃうことに相成った。→お写真はこちら!

レッスンの内容、詳しく書くとえらく長くなるのだが、一言でいうと「とにもかくにもボーイング」。自分がバイオリンで音出しをする時、大変な勘違いをしていたことがわかる。もっとも、今までの先生と違うことを指摘されているわけではなく、あくまで、言葉を変えて言ってもらったら自分が咀嚼できたということだ。

音階とカイザーでひたすらボーイングの練習して、レッスン時間終了。こりゃ、曲が弾けるまで当分かかるぞ〜〜(^^;)

2003年9月

新しい先生のレッスン。真っ先に指摘されたのは「全体的に力が入りすぎ」なこと。「バイオリンというものは右手も左手も力を入れて弾く物ではないのです。」うーむ、力入り過ぎなのは前の先生にもさんざん言われていたことだ。今度の先生は、弾いているとき弓を持つ手や腕をニギニギして「あ、ここ、力はいってますね〜〜」などと細かく指摘してくれるのでとってもわかりやすい。

「音出しも、四分音符であれば四分音符を弾いている間ずっと同じように弾くのではなく、必ず音を出したら力を抜いて弦を響かせるのが大切です。」む、なんとなく自分の音が色気がなくてペーペーしていたのはこのためだったのか!?

「左手も、ずーっと押さえていると言うよりは、押さえたあと少し力を抜く方が音の響きも良いのです。超絶技巧の名手などは、弦が指板から浮いている状態でもしっかり音が出せるくらいなのです。」ひえ〜〜、右手ばかりか左手も。しかし、実際先生に言われたとおり押さえて見ると、自分が今までいかに力入れすぎで運動機能を麻痺させていたかがよくわかる。

レッスンメニューはざっとこんな。

1.音階。音階といっても、むしろ右手のボーイングをここで徹底的に鍛えられる。自分では弓をまっすぐに弾いていたつもりだったんだが、実際はかなり怪しかったことが判明。

2.カイザー。色々な弓使いをおそわる。2曲目のスローテンポの曲でビブラートを改めて教わるが、どうも自分が今まで上手くかけられなかったのは角度と向きが関係していると判明。しかし、右手も左手も問題一杯で、とてもじゃないがいちどきに全部解決とは行かないであろう・・。

3.曲「ラフォリア」これ、良いボーイングの練習になりそうだと思っていたら、やっぱり先生の指摘もボーイング、ボーイング、ボーイング、であった。(^^;)9月26日、ようやく最初の2ページ目まで進む。このあと重音地獄が待ちかまえているのが恐ろしいっ。

そんなわけで右手の重要性を改めて認識したkero。しかし、特訓のせいか、自分の音の意識が変わったせいか、なんとなく自分の音が前とは変わってきた・・・ような気はする。

2003年10月

10月3日、レッスンに行くと、「keroさんはセブシックって言うの知っていますか?」と先生。ギクギク!セブシックというのは、なんでも指をくっつけたり離したりの筋トレ教材と聞いている。効果は大変あるらしいが、単調でつらくて、やらせ過ぎるとバイオリンやめちゃったりする人いるそうな・・・。

「次回からウオーミングアップをかねてセブシックの1の1をやりましょう!」恐れていたお言葉を。これで教本4冊!「これ以上は増えませんから」と先生は明るく言うけれど、ますます練習が大変になりそうだ。しかしっ、明らかに今の先生に習ってから音は変わってきていることだし、ここは先生を信じて地道にやろう!

セブシックでは力を抜いた左手の押さえ、音階、カイザーでは右手の脱力を教わる。弓の返しのなめらかさは出来てきたので、後はとにかく弓の曲がりを修正するのみ。10月24日、だいぶまっすぐに弾けるようになったと言われる。(^^)姿勢に注意すること、弓を持つ手の使い方、腹式呼吸をすると弓のブレが少なくなること、などを教わる。

カイザーは1巻の4まで行くが、この曲はkeroのような「紅葉の手」にとっては小指いじめの曲だ。最後の方の「そどそど」とE線で弾くところが届かず、思わず泣きべそをかく。

ラ・フォリア、ついに最後のページまで行く。重音は本当に難しい。指が覚えるまで単音の5倍はかかるみたいだし、音が全然ハモらない!しかしここでも注意点は右手の弓使い。特に「ダウン、ダウン」で弾くときの弓の返しは弓をしっかり持ち上げて円を描くように。弾くときも「げ〜〜」って力を入れて弓を引っ張るのではなく、弓を深く弦に沈める感じで、と注意をうける。

2003年11月

セブシックはウオーミングアップということで2段ずつくらいのペースでサクサク進む。(今のところは、だけど。)カイザーは1巻の7まで進む。この辺はそんなに難しくない。カイザー、わりと好きである。(今のところは、だけど。)

ラフォリア、総まとめということで全曲通して弾く。長いので結構へとへとになる。先生のコメントは・・・スタッカートとかマルテラートとかの曲想の所はとてもよいのだが、しっとり歌うバリエーションなどはもっと違う音が欲しいとのこと。うむむ、やっぱりアタシはしっとり歌うのが苦手なのかしらん。

それと、バリエーションとバリエーションの間の取り方に注意すること、重音はもっと音程の精度を上げることと、弓を持つ力を今以上に抜くこと。左手の押さえで人差し指の根っこが指板にくっついている癖をなくすことに注意すること。

11月28日、「すごく音が綺麗になってきましたね!楽器が鳴ってきた感じです。ビブラートも、最初に比べるとだいぶかかるようになってきました。」と言われる。うっうっ。嬉しいぞ〜〜。しかし、本当の事を白状すると、ビブラート、かかってないときの方が多いのである。(^^;)

とりあえず今の問題点としては、1.歌うべき所が歌い切れてない。2.音と音のつながりがもう一つ甘い。ことだそうである。歌い方は弓使いに非常に依存する事だ。前に比べると少しずつ音色と弓使いの関係がわかってきたのは、このラフォリア特訓のおかげである。というわけで、数々の問題を残しつつ、ラフォリアは一応終わり。はあ〜〜、長かった!次回からはヘンデルのソナタヘ長調である。

2003年12月

今月からヘンデルのソナタヘ長調。ヘンデルのソナタは、グリュミオーのCDを以前から愛聴していたので、一度弾いてみたかった目標の曲である。

6曲のソナタの中では一番技術的には簡単そうなこのヘ長調、歌い方や強弱の付け方を色々考えて弾くととっても楽しい。とはいえ、美しく歌うには精進が必要なんだが・・・。

まず、音と音がぶち切れないように弓の返しに注意する。弓の返しは奥が深くて言葉で説明するのは難しいんだが、弓を持つ手を柔らかくしてまだダウンの音を出している間に腕は既にアップに向かっている・・・なんて操作が必要なのである。はああ、難しい!気を付けて弾くと、今まで自分がどんなに「ぶちぶち」弾いていたかがよくわかる。

また、1音1音全力で弾くのではなく、フレーズの固まりを意識して力を抜くとこは抜き、緊張感を次の音に持続するべき所はビブラートも早めにかける、など、バイオリンの表現の奥深さを教わる。

今のところビブラートにしてみても、揺らすだけで精一杯なのでそこまで神経はまわらない〜。(^^;)しかし、そういう音の表現が身体で覚えられるようになると良いということ。たとえば、フォルテからピアニッシモになるところなど、頭でかんがえなくても「ぱっ」と弓を指板よりに持って行く、とかね。良い音も、運動能力次第?

2004年は、もう少し自分のイメージ通りの音作りが出来るようになるといいなあ♪