- 2008年8月22日 01:50
- 永沼版画アトリエ
お盆開け初の永沼版画アトリエです♪
一昨日、最近何かと話題になっている「アクリル系水性グランド」を試して見ようと、新日本造形のウォーターグランドを画材屋さんに届けてもらいました。
銅版画の制作は、伝統的に防触剤として「松脂、アスファルト、蜜蝋」を使います。これらを溶いたり洗ったりするのにどうしても「ホワイトガソリン、リグロイン」などの有機溶剤を使うので、健康に良くない。
そこで、最近はNon-Toxic Printmaking(ノン・トクシック技法)と言って、非有害な銅版画の制作技法を研究している方が増えました。
銅版画のグランドに「床用アクリル系ワックス」を使うというのは、だいぶ前から聞いていたのですが、銅版画用として市販されてるものを使うのは初めてです。
試しに、テスト用銅版に引いてみます。
10分すれば描画できると書いてありますので、早速乾かしてニードルで引っ掻いて見ます。
・・・・
うーん。
ダメですね。(; ̄∇ ̄A
線が太く、ぱりぱりしてしまいます。
まあ、わざとこういう効果が出したい場合などは有効かも知れませんが・・・・
試しに水洗いしてみたら、何と!
簡単に溶けてしまいました。(-_-;)
これでは何回も腐蝕液につけては洗い、書き足すという作業にはとうてい堪えられません。
一応奇麗に流し引きしたものを一昼夜乾かして、また明日testしてみようかと思います。
ただ、説明書きにあるように原液で使うと、ちょーっと濃くて、なおさら線が「ぱりぱり」してしまいそうですね〜。
いろいろネットで調べて見ると、ジョンソン社のフローリング用水性ワックスがよいらしいのですが、日本では売ってないのです。
リンレイのフローリング用ワックスが良いとの噂もありますので、いろいろ試して見たいです。
あ、ただ、このウォーターグランド、エアブラシで銅版に吹きつけて、アクアチント効果を出すには大変使い良いという噂。
こっちの方はぜひ試して見たいと思います。
たぶん、グランドの方も、本気になってメーカーさんが開発したら、完璧なものが出来そうなんですが・・・。(^^;)
銅版画人口は少ないですから、なかなかね〜。
- Newer: 雑誌の装丁
- Older: 今日の銅版画教室-多版多色刷り大流行!