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版画HANGA百科事典

版画全般

版画 Q&A
1.版画ってなに?

■Q1: 版画ってなに?なぜ「版画」なの?

A: 版画とは、要するに何の材料でもいいから「版」となるものにインクをのせて「紙など刷り取るモノ」にプリントしたものを版画と言います。

したがって、芋に彫刻刀で彫ればそれは「芋版」、木に彫刻刀で彫ればそれが「木版」になります。
銅に彫れば「銅版」、手のひらにインクをつけて紙におしつければ「手のひら版」・・・・・・???

アイデア次第でどんなものでも「版」になるわけです。

「刷りとるモノ」の方も、別に紙だけとは限りません。

コルクに刷ったり、鉄の板に刷ったりと、色々な表現をしている作家がたくさんいます。

■Q2: 筆で紙に直接描いたほうがカンタンそうなのに、 なぜわざわざ版画にするの?

A: 理由は主に二つあります。

1はカンタンですね。筆で直接かいた絵画は「一点もの」で、この世に1つしか存在しません。

版画は、印刷のように全く同じものが大量生産出来るわけではありません。(基本的に手作業・手刷りですから)が、普通の絵画と比べれば、一つの版から20枚とか100枚の作品を造る事ができます。

19世紀にロートレックの版画は、実際にポスターとして造られました。その頃は、立派な印刷技術のひとつだったのですね。



2の理由の方は、少しむずかしいです。

絵描きは自分のイメージを表現するとき、絵具や紙といった「素材」を使います。

また、絵具を紙に定着させる時には、どうしても筆やパレットナイフといった「道具」を相手にして格闘しなくてはなりません。

「素材」と「道具」は絵描きにとっては、自分のイメージ、ひいては作品の表現を左右する大切なモノなのです。

絵画の世界では、「素材」が油絵の具と麻布であれば油絵家、膠にといた岩絵具と和紙であれば日本画家、というようにジャンルわけされますが、版画もこのジャンルわけと同じように考えれば分かりやすいと思います。

直接筆で紙に描くのではなく、版を紙に刷りとって、自分の表現をやりたい。

版の材質感が制作するのに不可欠だ。

版画でしかやれない表現がやりたい。

というような理由で版画を造っている作家が、 いわゆる「版画家」なのです。

現在はこの2の理由で版画を造っている人がほとんどで、エディション(一つの作品を刷る枚数)も、何百枚も刷る人はまれで、ほとんどの作家は20枚から50枚程度が多いです。

また、一つの版から一枚しか刷ることのできない「モノタイプ」という版画を制作する作家も沢山いるのです。