あこがれのビブラート
keroが弦楽器に憧れを持つに至った2つのポイント。
1.「わあ〜〜〜あああ!!」というように、いったん出した音を盛り上げることが出来ること。
鍵盤楽器は一回ぽんとキーをたたくと、音は減衰するのみ。 で、好きなワーグナーなどのメロディーをピアノで弾いても、イマイチ感じがでないのである。
2.ビブラートがかけられること。
皆さんも、バイオリニストの弦を押さえる左手がフルフルと揺れているのを見たことがあるでしょう〜。
音が微妙にフルフルと揺れる、あの美しさ。メロディーラインを美しく彩るビブラートの音色・・・・。ああ、実はこれが、ビブラートがやってみたくて、弦楽器をやってみたいと長年あこがれていた、わたくし、kero。
バイオリンを初めて苦節2年目の2002年、ちょうど「ヴィヴァルディのAmol」という曲をレッスン始めたころ。やっとkeroはビブラートの練習を始めることが出来たのである。
「ヴィヴァルディのAmol」という曲は「調和の霊感」という曲集の中のバイオリン協奏曲。
参考までにMIDIファイルをのせよう。ポピュラー名曲なのでご存じの方も多いと思う。ビブラート無しでも充分難しい曲である。
この曲がある程度仕上がったとき、先生はおっしゃった。「さあ、ではいよいよビブラートの練習に入りましょう!!」
このときkeroが「ついに、ついに」と大喜びしたのはいうまでもない。やっとバイオリンならではの美しい音が出せるようになるのだから・・・。いや、しかし、行く道があまりに遠いことにこの時keroは気づいていなかった。
さて、ビブラートの練習・・・・・ といっても、いきなり弓と一緒に左手をフルフルいわせるわけではない。 まず、手首の運動。
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いち、に、いち、に、と手首を向こう側に倒す練習をする。普段あまり使わない動きなので、手首を柔らかくするのが大変だ。
さて、次は指の第一関節を柔らかくする運動。
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このように指の第一関節を「へこへこ」と動かす練習。これも、普段は使わない動きなのでイマイチ動きが固いのである。これが高速に出来るようになるまで練習する。
さて、今度は楽器くらいの厚さの本や箱を使って、実際にバイオリンを持った時のような向きで手を倒す練習をする。
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この練習のミソは、「手を倒した状態でも指の力が抜けないこと」「必ず向こう側に倒し、戻すこと。」である!手前に倒すと音程が上がってしまい、とっても音痴にきこえてしまうらしい。むむう・・・・。ビブラートを実際にかけるまでにはずいぶん色々な筋トレが必要なんだなあ。
この練習を続けたあと、ついにバイオリンを構えて、全弓つかって(つまり、弓の元から先まで使って)3回手を倒す練習をする。ここに恐るべき音の記録があるので、勇気のある方は聴いてみて頂きたい。ただし、MP3ファイルで重たいわりには出てくる音は爆笑ものであるが。
どうです、かなり笑えるでしょ?簡単なようであるが、手を倒している間に音程がずれちゃったり、ゆれにばらつきがあったり・・・・。おまけにこの練習を少し続けていると、指が筋肉痛になるのである。つらい、つらすぎる。こんなに大変なものだったとは、ビブラート・・・。
さらに、先生はおっしゃった。「今度は倍の回数を入れてみましょう!」ば、倍ですか?1つずつ増やすとかじゃなくって?(-_-;)
あわわ・・・・。なんともサマにならない有様だ。先生曰く、「ビブラートがかけられるようになるまでにはとっても時間がかかります。何年もかかりますが、あせらずコツコツ練習していれば、必ずかけられるようになります。まず、ビバルディのAmolの長い2分音符に3回手を倒す音を入れてみましょう。」
とすると、この恐るべき音出し練習を何年も続けて行かなくてはいけないわけね。猫に家出されないか心配だ。それに、Amolに入れるったら、こんな有様になるわけかしら。
はあ〜〜〜。keroは行く道のあまりの遠さにため息をついた。バイオリニストの方々も最初はこうだったのであろうか。もちろん、そうであろう。あこがれのビブラート、聞く話によると、「いかに多くビブラートをかけようと努力したかによって上達度が違う」そうである。
めげずに練習しよう、ビブラート。そして、いつかはkeroの理想である「美しく歌えるバイオリン」に到達することをめざして・・・・。
上に書いたのは前に習っていた先生に教わった方法で、「手首のビブラート」だそうです。
2003年に別の先生に習い始めたら、「腕のビブラート」を教わりました。欲しい音によって、腕から大きく揺らしたり、手首で細かく揺らしたり、変化をつけるんだそうです。どちらも指の第一関節が柔軟にヘコヘコ動かなくてはいけないのは同じだそう。
いろんな流儀があるんですね〜。ほええ〜〜。(しかし、未だにどちらも上手くかけられないアタシって・・・・。)