4回目の発表会 チャイコに挑戦!の巻

2005.08.14

今回の発表会はロマン派初挑戦!それもチャイコフスキー。「なつかしい土地の思い出」全曲、演奏時間20分!ひい〜。

チャイコフスキーといえば、バイオリン弾きならばだいたい、あの有名なバイオリン協奏曲を思い浮かべることでしょう。あんなものは、もちろんkeroには一生弾けるわけないので(^^;)、kero的にはチャイコといえば「なつかしい土地の思い出」なのであります。

1.瞑想曲 2.スケルツォ 3.メロディー、の3曲からなるこの曲集、とっても綺麗な曲なので、もっと弾く人が沢山いても良いと思われるのだが、ちょっと検索してみたところ、ネット上にこの曲全曲を練習した記録は見あたらないです。なので練習のツボをここに記録しておきます〜。これからこの曲を習う皆様、参考になれば幸いです♪MIDIファイルも練習に使って下さい。そして、発表会ではぜひ全曲弾いてくださいな〜。アタシみたいに「汗だく、失神寸前」に・・・けっしてならないように。(爆)もっとも、全曲通すなどという無謀な事するのってアタシくらいかも。


●「1.瞑想曲」●


→MIDIファイル

ねっとり感


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モルト・カンタービレ。不健康な感じ(笑)で、色気たっぷり、ねっとり歌う。

・・・と書くとあたりまえのようですが、これがアタシのような下手くそには難しいのよ。ゆっくりな曲ほど難しいという意味が身に染みます。

まず上手い下手がはっきりでちゃうG線の音出し。右腕を高く。といっても肩に力をいれてはならず、肩胛骨の方から持ち上げる感じにして肩や腕肘指など末端は脱力し、腕の重みだけで弾くようにする。(そうしないと、指弓が使えなくてなめらかなフレーズにならないわけ。)

といっても、悩ましい音を出さねばならないわけで、フレーズを考えて圧や速度を変えたりするのも必要。大切な主題なので、「P」で始まるが弱々しくなく響く音でしっかりと弾く。ビブラートは細かく指がちょっと動くか動かないかみたいな細かいのをかける。はあ〜、やること多すぎ。(^^;)

いちおう、本番用の楽譜に「けんこうこつ」って書いておいたんですがね、やっぱり弓がしっかり乗ってなくて「もわ〜」って音出しちゃいました。

やっかいな部分満載


3曲のなかで一番難易度が高いこの瞑想曲、やっぱり練習のポイントは、これらのやっかいな部分をなんとかサマにすることでしょう。

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うーん、どんなにゆっくりテンポで弾いていてもこりゃ間に合わない。とくに4回目の1.5拍目の駆け上りは自分でも何弾いてるのかよくわからなくなっちゃった。先生には本番直前に「最初の3つの音だけは確実に出して。それ以外はどうでもいいから〜」と言われました。(よい子の皆様はマネをしないでね。)


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先生曰く、このように似たような感じなのにちょっとづつ変わるあたりが「チャイコらしいイヤらしさ」だそうです。先生の言葉にはちょっとチャイコに対する恨みが感じられたような。きっと協奏曲で苦労されたのでしょうね。(笑)


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一番緊張するところ。最初の下降アルペジオは最後の音が開放弦の「そ」だから、まだ余裕を持って次のハイポジ「し」へ行けるのだが、次がねえ・・・。「♭ら」を押さえてすぐハイポジ「ど」に行くのが・・・。トホホ。ここんところは、ピアノの伴奏の方に、「少しだけ待っててください〜」とお願い申しあげました。(よい子の皆様はマネをしないでね。)


高い音が綺麗に出ない


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CDで聴くような「金粉をまぶしたようなハイポジの音」が全然出ない・・・。自分の楽器のせいにしたいところだが、やっぱりハイポジでのビブラートが下手くそなのが原因。あと、ハイポジはなるべく楽器を平行にして、右肩を後ろにひいてボーイングするのがコツだそうです。左手の押さえの力と弓の力加減とかも微妙なので、最後の4小節は恐怖でした。

ここまで高い音だと、手の小さいkeroだと親指がバイオリンのネックからはずれて、指板の側面にひっついて弾くしかないのですが、本当は親指がネックにあった方がビブラートもかけやすいし、指の腹で押さえることが出来るので良いのではないかと思います。もう少し下の方の音だったらナントカなるかもしれないので、これからの課題ですね〜。

●「2.スケルツォ」●

→MIDIファイル

跳ばし


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第一主題部分はほとんど高速跳ばしっぱなし。故に、良い跳ばしの練習になると言えばなるんだけど・・・。練習はしたけれど、もたついてたので、発表会2週間前に跳ばすの諦めました。跳ばすのさえなければ、この曲が一番難易度低いかもです。

ピチカート


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重音のピチカートがわたしは大変下手。コツは、弓を持つ右手の人差し指をなるべくさっと弓から伸ばして、一気に3弦(4弦)に当てて上に向かって同時に弾くこと。人差し指は柔らかくしならせるべし。この曲は特に早くてリズムが大切なので、「ヴォローン」とハープみたいに弾かないこと、だそうです。しかし、本番では力入りすぎて、指板に「べちっ」と当たっちゃって、バルトーク・ピチカートみたくなってたような・・・。(^^;)

第2主題


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ただ音階を上下するシンプルなメロディーなのに美しいのがチャイコ節!のびのび美しく弾くのは当たり前だけど、せっかく全曲弾くのだから、各曲にイメージをちゃんと持って弾きましょう、と先生に言われました。私的イメージでは、このスケルツォは「少年時代の夏休み」。どうお〜?(^^)

ちなみに瞑想曲は「夜眠りに入るときに過去の事を思い出して苦悩しちゃうチャイコくん」メロディーは「お母さんの家または幼年期の思い出」でーす。

●「3.メロディー」●

→MIDIファイル

柔らかく、柔らかく・・・


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このメロディーが、曲集のなかで一番ポピュラーですね♪よく、バイオリニストのアンコール曲集などに入っている曲です。

1曲目=ねっとり、悶々 2曲目=ちょっと攻撃的 とすると、この終曲はあくまで柔らかく、とろけるような感じで弾きたいもの。ああ、だけど、指弓が下手なんでフレーズがぶちっと切れたりとか、ポジ移動で力が入って音が大きく鳴っちゃったりとか、弓の都合で強弱が乱れちゃったりとか・・・。

問題は満載でしたが、とにかく自分なりに柔らかく、ゆったり終わるよう心がけました。ここら辺にくると疲れてヘロヘロになっていたので、いい具合に力も抜けてましたので。(笑)

今回は教わっている先生が主催する発表会で、第1部が子供の生徒さん。第2部が大人の(レイトスターターの)生徒さん、第3部がプロな方々(他で教えられている音大受験生レベルの生徒さん、それと音大の学生、卒業生の方)という構成。第3部になったら、突然、音が「本当のバイオリンの音になってきた」感がありますなあ〜。最後の方は発表会じゃなくて演奏会だったような。大変聴き応えのある会でした。

ずーっと見ていたウチのダンナちゃまに言わせると「第2部の人の問題は上手い下手以前に、あがっちゃって弾けなくなることだ」。私を含め、大人組の方はやっぱりみんな緊張してましたから。(^^;)子供も緊張してはいるけれど、音出しとか堂々としてるもんね。

私は今回は初めて暗譜じゃなくて譜面を見て弾きました。そのせいか、「長い曲だから集中力だけは保って、やるべき事をちゃんと考えて弾こう」という目標は一応達成できたので・・・。まあ、大甘で70点くらいかしらん。(甘過ぎ?)でも、あがる、あがらないとは別問題で、やるべき事がはっきりわかっているのに、技術が足らず、本番はもちろん練習でも最後まで出来なかった事が山ほどあり、バイオリンの奥の深さがよっくわかりましたです。まあ、簡単に言うと「弾けてない」んですよね。(^^;)もう少し上手になったらもう一回やり直したいです、この曲。上手に弾ける日が来ますように・・・・。