余はいかにしてミステリ・ファンになりしか

1999.11.03

わたしは幼少ののころから、本といえば推理小説!な女でございました。

ホームズ、ルパンから始まって、中学生のころはエラリイ・クイーン、アガサ・クリスティ様など読破、本屋に行けば真っ先に「創元推理文庫」と「早川ミステリ」のコーナーへすっ飛んでいくという、典型的・ミステリ・マニア・悪ガキ・keroだったのでございますです。


さて。 なんか今から思うと、ホームズ、クイーン、クリスティーなど、 洋物推理小説ばっかり好んで読んでいたようなのですが、その原因としては、次のような事があります。

日本の誇るミステリと言えば、当時(ああ、トシがばれそう〜)

大御所、松本清張!(砂の器〜)そしてやたらに映画化されました横溝正史。 (スケタケ〜ですね ^_^; )このお二方のミステリが当時の時代の趨勢だったのです。

もちろんもう少し前の世代としては江戸川乱歩様などおりますけれど・・・・


もちろんお二方のミステリ、大好きです。

大好きなのですが、 清張さまに代表される「社会派推理小説」なるものばかりを読んでいますと、 少々かったるくなって来てしまいます。

また、乱歩・横溝さまのような「どろどろ大正ろーまんー」な雰囲気も、あまりのめり込めないタイプ。

なんか、日本のミステリって、犯人の動機とか、犯行に及ばざるを得なかった社会の悪なんかを、すごーく同情的に書き込む傾向がありますよね。

動機を書き込まなきゃ説得力ないのはモチロンだけど、肝心の「トリック」とか「アリバイ談義」がきちんとしてないと、ちょっとねえ・・・。

また、日本の作家の場合、アリバイ談義と言えば大半は「時刻表トリック」! かの清張さまや西村京太郎さまに代表されるやつですね。 アタシはこれがちょっと苦手。

でも、日本の作家の本格物っちゅうと、なぜか時刻表ものが多いのだなあ。ううう〜ん、です。 ま、モチロンこれは専ら私の好みによるものですけれど。


さて、わたくしkeroは、本を読むスピードが大変早い。超・高速。 斜め読みとかツンドクとか申しますが、まさにそれ。

それは別に良いのですが、たとえば土曜日に文庫本二冊買ってきて「さあ〜週末はこいつで楽しむぞお!」などと思っても、その晩のうちに我慢しきれず、ついつい夜更かしして、せっかくお小遣いをはたいて買った二冊を読み切ってしまうようでは、到底お小遣いも持ちません。(笑) 特に学生時代は貧乏でしたからねえ・・・(^^;) たかが文庫本とは言え馬鹿になりましぇん。

また一方、我が愛する「本格推理小説」、 豪邸に執事がいて、完全密室で殺人事件が起こる・・・ちゅうタイプのやつですが、 あれももはや時代遅れ。

クイーンもクリスティーも亡き後、残るは社会派推理小説とサイコもの。

そんなこんなで我と我が身に「ミステリ読書禁止条例」を引きまして(笑) ずうーっとミステリ界からは足が遠のいていたkeroだったのです。

しかし!!! 私はホントにあほkeroでした。

最近久々に「ミステリでも読むべえ・・・」と考えて色々探していたら、な、なんと「新・本格推理小説」といった作家がたくさん出ていたのですね、日本でも! これがまた面白い〜!

夜更かしの元〜! 金欠の元〜!(笑)

以下、ここのところkeroがハマリまくっている作家の方々をご紹介します。どの方もkeroと同世代・同年代。 それがどうした!? なんとなく嬉しいぞお〜(^^)


●綾辻行人

「十角館の殺人」で脳天にがひょ〜んと来ました。冒頭で「刑事が靴をすりへらして愛人を殺した男を逮捕する話なんてまっぴら、 豪邸で一室に容疑者を集めて"皆さんこれから真犯人をご紹介します・・・" これだよ、これ」 なんて話が出てきます。 うん、同感!!

館シリーズは全部読みましたが、この「十角館」と「時計館」が面白かったなあ。

●有栖川有栖

創元推理文庫から出ている初期の作品は、みな「クローズド・サークル」(広義での密室状態)もの。 「双頭の悪魔」が面白かったです。 江神さんシリーズ、もっと出して欲しいなあ。(ファンだったりして ^_^; )

他のシリーズでは「マジックミラー」も良かったです。

●宮部みゆき

彼女の作品は「本格推理」ではなく「社会派推理」の流れを汲むものだと思います。

でも、宮部さんはわたしと同世代だということと、ごく最近のリアルタイムな問題を扱っているせいか、とっても面白く読めます。 着眼点とか切込み方もすてき!文章もうまいなあ、と思います

「火車」でどっひょーんと衝撃を受けました。


さて、まだまだkeroの知らない名作多々あるかと思います。
ミステリ・ファンの皆さま、お勧めありましたら教えてくださいまし、ね。