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版画HANGA百科事典

銅版画

ドライポイント
B.実践編

さあ、早速作ってみましょう。
ここで使う技法は、「ドライポイント」です。
syusaku.jpg

すべての技法に共通の、版の準備

■版の四辺を、金ヤスリで45度に落とす
han1.jpg
プレートマークを
落とす前の銅版
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スリで
プレートマークを削る
jyunbi2.jpg
ミニサンダーで
プレートマークを削る
han2.jpg
プレートマークを
落とした後の銅版

銅版の四辺の45度に落とした部分は「プレートマーク」と言います。

「プレートマークを落とす」のは、ドライポイントに限らず、銅版のどの技法でも、必ず最初にやらなくてはなりません。

刷る時に強い圧力でプレスするため、45度に落としていないと、紙が破れたり、上にかぶせたフェルトが破れたりするためです。

版の端っこで手を切ったりしないように、すこし角を丸めておきましょう。

■版面をピカールで磨く
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版面にピカールを
落とす
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丸めて糸で縛った
ウエスを芯にして
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版を磨く
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最後はガソリンで
拭き取る

そんなに神経質になることはないのですが、買ったばかりの銅版は細かい傷がついていたり、表面が少し色が変わっていたりします。

金属磨きのピカールを銅版に少し落とし、布で磨いてピカピカにします。



ここまでのプロセスは、ドライポイントだけでなく、すべての銅版画の技法(メゾチント、エッチング、アクアチント、etc.)に共通の下準備です。

ドライポイント

drypoint2.jpg

直接銅版を引っ掻く事によって、金属のバリ(バーと言います)が出ます。 そこに、インクがひっかかって、独特の滲んだような線が表現できるのが、ドライポイントの最大の特徴です。

dry.gif

■描画しましょう!
drypoint1.jpg

下絵を転写刷る場合は、トレーシングペーパーに絵を転写し、銅版とトレペの間にカーボン紙をはさみ、線をボールペンや鉛筆でなぞります。

銅版にカーボン紙の線がうつりますが、そのままでは線がこすると消えてしまいますので、ベビーパウダーなどを軽くはたいておきます。これでOK!

また、それほど緻密な下絵がなくても良いという人は、マジックインキで銅版に直接あたりをつけても大丈夫です。(マジックインキは、あとでホワイトガソリンやアルコールで拭けば消えます。)

ポイントで、自由に描画していきます。

ちょっとやそっとの失敗は、スクレッパーでけずったりバニッシャーで磨いたりすれば良いので、なるべく下絵にとらわれず、伸び伸びと線を描いてみることが大切です。失敗をおそれてこわごわ描画したりすると、絵が面白くなくなってしまいます

■いろいろな工夫をしましょう


DSCF3093.jpg
バックは紙やすりで作った調子

この作例は永沼版画アトリエの
受講生の方の作品を
使わせていただきました。

■描いた調子が良くわからないときは

金属磨きのピカールを少し画面におとして全体を軽くふいて見ます。 バーの立っているところに引っ掛かって、黒い調子になり、全体のトーンが見やすくなります!

でも、あまりごしごしこすってはいけません。弱いバーが磨かれて消えてしまいます。

■完成!さあ、刷ってみよう!

刷りの工程は 刷ってみよう!を参照して下さい。